前回は、キチンについて話しましたので、今回はついでにと言っては何ですが、キチンオリゴ糖についてお話します。
今から十数年前に、たいへんなキトサンブームがあったのですが、実はこのブームのきっかけとなったのは、キチンオリゴ糖だったのです。当時の日本薬学会で、東北薬科大学の鈴木教授(現在は退官されています。)がキチンオリゴ糖の6糖が、マウスにおけるガンに対し縮小および転移を防ぐ作用があることを発表されたのです。
ただし、この実験はマウスの腹腔内に直接キチンオリゴ糖の6糖を投与したものであって、人間に対ししかも経口投与の場合同様の結果が得られるかどうかについては分からないのです。
この後、鈴木教授は責任を感じ、マウスの経口投与の場合のデータもとられました。結果は、やはり優位性があるということが分かったのです。
前に、キチンはN-アセチルグルコサミンがたくさん繋がった多糖類であることを話しましたが、キチンオリゴ糖は、このN-アセチルグルコサミンが2個から6個繋がったものの混合物なのです。もちろん水溶性です。味は昔懐かしいほんのりとした甘さがあります。
鈴木教授が、実験で使用されたのは、キチンオリゴ糖の6糖つまりN-アセチルグルコサミンが6個繋がったものです。