キトサンについて 9

今まで、キトサンについての話が中心でしたが、今日は「キチン」について説明します。

キチンの原料は、言うまでもなくカニ殻ですが、主にベズワイガニを使用します。ベニズワイの場合、30%のキチン質が含まれ、他に30%のたんぱく質・30%の炭酸カルシウム残り10%が水分です。

そもそも、このカニを使うようになったのは、皆さんもご存知の「カニ風味かまぼこ」がきっかけだったのです。カニ風味かまぼこは、かまぼこにカニ殻から熱水抽出した調味料で味付けします。抽出した後のカニ殻は、それまで肥料や飼料にしていましたが、もっと、付加価値のある利用が出来ないかというところから始まったのが、キトサンの研究だったのです。

先に、キトサンはD-グルコサミンがたくさん繋がったものであるということを書きましたが、キチンはN-アセチルグルコサミンがたくさん繋がって出来たものなのです。D-グルコサミンもN-アセチルグルコサミンも糖の一種で、キトサンもキチンも糖がたくさん繋がったものであることから、多糖類といいます。

実は、この地球上で2番目に多い多糖類がキチンなのです。キチンはエビ・カニなどの甲殻類や、昆虫の外皮・きのこやカビなどにも含まれています。余談ですが、バイオリンの名器といわれるストラディバリウスには昆虫から抽出したキチンを含む塗料が塗られているのです。ですから良い音色が出るのですね。

あっ、忘れていました。地球上で最も多い多糖類は、セルロース(木などに含まれる。)です。