キトサンについて 6

今回は、低分子キトサンについてお話します。中分子キトサンが抜けてるじゃないかとおしゃられる方もいるかもしれませんが、次回にします。

一時「水溶性キトサン」なるものが流行った事がありましたが、前にも書きましたように、キトサンは水には溶けません。しかし、酸性溶液例えば塩酸溶液には溶けますので、キトサンをいったん塩酸溶液に溶かし、その溶液を乾燥させれば、粉末になります。この粉末を水に入れますと、確かに溶けるのですが、 この粉末は、「水溶性キトサン」とは断じていいません。正確には、この粉末は「キトサン塩酸塩」というのです。何度も言うようですが、決して水溶性キトサンではないのです。

このような、キトサン酸性塩(塩酸塩や乳酸塩・アスコルビン酸塩「ビタミンCです。」)は当たり前の話ですが、水には溶けます。しかし、水に溶けるからと言って、吸収がいいということとは全く別問題なのです。キトサンが体に吸収されるためには、分子量がある程度小さくなくてはいけないのです。

前に、キトサンはD-グルコサミンがたくさん繋がったものという話をしましたが、このD-グルコサミンが少量繋がったものをキトサンオリゴ糖(またはオリゴグルコサミンとも呼びます。)といいます。それでは、少量と言うのはどの程度か?答えは2~10個程度繋がったものの混合物です。

このキトサンオリゴ糖は、水に溶けます。従って水溶性キトサンと呼べるのはキトサンオリゴ糖だけなのです。